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 不安げに見つめてくる瞳、その言葉の意味。彰鬼は言葉をなくしてしまう。


「やだ、なんかいってよぉ…彰ちゃんは嘘、つかないでしょ?」

「っ…誰だ、誰に何された!!」

「い、たぁ…っ、やめて、やめて彰ちゃん!」

「答えろ遙香!」


──ビクッ


「あ、わ、わり…」

「ふぇっ…怖い、よ…っ…どうして、何もいってくれっ、ないの…?理樹先輩、も知らない人も触るのに、何で……エッチって、何でぇ…っ」


(アイツ…!!)


 分からない、分かってない。遙香の頭の中は混乱の渦が巻いていて、ただ泣いて彰鬼の言葉を待った。『嘘なんかつくかよ』その言葉を待った。

 でも……、


「……嘘、はついて悪かった」

「っ…!?」

「確かにあれは普通やらねぇことだ。……お前が、遙香が好きだから、少しでも触れたくて騙した」

「ゃ…や、嘘、やだっ!どうしてぇ…彰ちゃんもっ、僕を裏切るの…」

「ちげぇ!お前が好きだから、本気で愛してるんだ!」

「嘘、うそっ…嘘つき!はぁ…っ、お父さ、も理樹先輩もっ……彰ちゃんも!!」





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あきゅろす。
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