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2人がバッと遙香を振り返った。遙香からしてみれば世間一般の意見なのだろうが、2人はそれが気に入らない。そこに留まる理由もないため、3人はその場から離れた。
だがその様子を、彼はちゃっかり見ていた。
「ハールちゃんっ」
「っ!……り、理樹先輩…っ」
「ごめん、ビックリしちゃったかな?」
「はい、とても…」
「ふふ。ねぇ、さっきコンテスト見てたよね?みんなで海にきてるの?」
「あ…はい」
コンテストも終わり、ほとんどの人が帰ったころに理樹がやってきた。もちろんある程度の変装はしているため周りにはバレてないが、彰鬼と幸慈も彼に気づいて近寄ってきた。
「羨ましいな。僕もハルちゃんと遊びたいよ」
「誰がさせるか」
「ハルちゃんにいってるんだけど?」
「あ、あの…今日はバイトで…」
「バイト?あ、ここでしてるの?」
「はい」
「へぇー…」
あの遙香が人と触れ合うバイトをしている。それは理樹からすればありがたいことであり、自分へのチャンスが増えたともいえる。顔には出さないようニヤケながら飲み物を頼んだ。
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