バイト
「い、いらっしゃい、ませっ」
『こっちビール』
『カレーまだー?』
『キャア、かっこいー』
『君可愛いね。このあと暇?』
「遙香!これ3番っ」
「あ、はいっ」
猫の手も借りたい。それくらい2日目の海の家はたくさんのお客さんで賑やかだった。始めは戸惑っていた接客の仕事だったが、いざ始まると怯える暇もないくらい忙しい。
バイトをしている5人が顔がいいというのにくわえ、今日海岸で行われるイベントのせいでいつもの2倍は人が来ているのだ。そのためお客さんに声をかけられても、『ひっ』という声と同時に『運んで』の声がかかる。
手が回らない状態だ。
(こ、こんなに忙しいなんてぇ…っ)
「ハル、大丈夫?」
「うん、疲れたけどっ…まだ平気だよ」
「そか。ツラくなったらい『これお願ーい』…はい」
(あ゙ーくそ!んで俺が…)
「彰ちゃん、また眉間にシワ寄ってるよ?」
「……わぁってる」
[*前へ][次へ#]
[戻る]
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!