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「しょーうきー!兄ちゃんにも火ぃ分けてくれーっ」
「………うぜ、1人でやってろ」
「ヒドいな。ハルハル慰めて?」
「よしよし。零にぃ、僕の花火から火、つけてっ」
「ありがとー。可愛いなハルハルは」
「当たり前だろ、ハルだぞ!?」
(うっわチョーブラコン。遙香の周りってすげぇな…)
今更気づく幸慈。そして遙香は狛璃にそういってもらえたことにより、頬を赤く染めていた。暗闇で見えないのが幸いかもしれない。熱くなったほほを冷やすように、自分の手で顔を覆った。
「……遙香?」
「っあ、え?なぁに彰ちゃん」
「いや、何してんだ」
「んー何でもないよ。ね、そろそろ大きいのやろっ」
「お、いーねーやろうぜ」
「彰鬼、火ぃよろしく」
「………へいへい」
ボッとライターの火を導火線につけ、少し下がる。次の瞬間には眩いばかりの火花が暗闇に飛び散り、大きな花火となって燃え続けた。
「キャーッ、凄い!綺麗っ」
(お前のが綺麗だっつーの…)
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