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「うし、花火しよーぜ遙香!」
「あ、うんっ、する!」
『火の元には気をつけなさいよー』
「大丈夫ですよ、僕たちがちゃんと見てますから」
5人でまた海岸へ向かう。そこには2つほど花火をしているグループがあり、少し離れて遙香たちも用意をする。昼間買っておいた花火、海水の入ったバケツ、彰鬼のライター。まずはろうそくに火をつけ、遙香から始めた。
──シャーッ
「きれーっ。見てにぃに、綺麗だねっ」
「な!よーしにぃにもやるぞー」
「俺も…ってギャァア!これ手持ちじゃねぇっ!」
「ハデでいいだろ」
「山園先輩ムリだから!イジメ!?」
「もー幸ちゃんとも仲良くしてよねっ」
…いや、これでも十分仲がいいのかもしれない。遙香たちとJumble以外でこんなに普通にしているのは珍しいのだ。"友達"、その領域から幸慈が出れないことを知っているからかもしれない。
そんな様子を嬉しそうに見ていたのは零鬼だ。遙香のことはもちろん、弟の彰鬼のことだって心配していたのである。
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