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「海きれーだね…」
「遙香の方が綺麗だろ」
「えーじゃあ彰ちゃんの髪はもっと綺麗!ね、幸ちゃん」
「え?あ、そうかもな」
夕日になりつつある太陽は彰鬼の髪と海を照らす。しばらくそれに見とれていた遙香だが、今度は砂を山にしだした。ペタンと座るアヒル座りが可愛らしい。
「何してんだ?」
「んとね、トンネル作るの。一度やりたかったんだっ」
「お、じゃあ手伝っちゃおー」
「わぁ、ありがと」
「いえいえ」
幸慈と2人で山にし、固めて穴を掘る。さすがに彰鬼はそれには混ざらず、ジーッと遙香の横顔を眺めていた。
▼彰鬼side
どこに行っても遙香へのイヤラシイ視線は絶えねぇ。
そのたびに遙香は怯えてきていた。
……なのに、んで今日はそれがねぇ?
「ね、ね、もうちょっとかな?」
「あー…どーだろ」
いいこと何だろうが喜べねぇ。
俺の中だけに閉じ込めておきてぇ。狛璃さんなんか忘れるくれぇに。
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