[携帯モード] [URL送信]
13
「〜♪ん〜♪」


 狛璃が美味しいといってくれるのを想像すると、自然と上機嫌になる。麺を茹でながら鼻歌を歌うなんて、1人のときだからこそする行為だ。

 ちょうどお皿に盛り終えたころ、狛璃は仕事から帰ってきた。有名な会社に勤めるサラリーマンで、それなりの功績をあげている。だが遙香のために定時で帰るようにしているのだ。


「お帰りなさーいっ」

「たっだいまー!寂しくなかったか?」

「ちょっとだけ」

「っ…ごめんな!!もう大丈夫だからなーにぃにがいるぞっ」

「へへ、うん!」


 ぎゅーっと抱き合いながらお帰りのキス。これも5年前からの習慣で、フレンチまでなら唇へのキスもしている。本を読んで知識があるくせに、自分のこととなると理解しきれてないのだ。


「学校はどうだった?」

「ん…いつも通り。ただ…」

「ただ?」

「転入生。僕のこと、色々聞くの」


 シュン、とした様子で言えば狛璃は勢い良く立ち上がる。





[*前へ][次へ#]

14/52ページ

[戻る]


第3回BLove小説漫画コンテスト開催中
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!