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「ちょっ…鼻入った。何すんスか!」
「水の方に投げただけ有り難いと思いやがれ」
「ハルハル貝ー!」
「てめぇは空気読め!」
「わ、キレー桜貝だっ。もらっていい?」
「もっち。ハルハルのために見つけたからね!」
もうみんな好き放題だ。遙香と幸慈が水をかけあってると彰鬼が邪魔するし、狛璃と遙香が水をかけあってると零鬼がそこに入って一緒に遊ぶ。こんなに楽しそうな遙香はホントに久しぶりだ。
「ハルハル、前よりも笑うようになったな」
「あ゙?前のが笑ってたんじゃね?」
「それは俺たちだからだろー?そうじゃなくてさ、なんつーか…」
「……人としての本来の笑顔」
「そうそう、そんな感じ」
人を選ぶわけでもなく、作っているわけでもなく。楽しいことをして自然と笑みが出てくる、そんな感じ。今まででも十分可愛く笑っていたのだが、それはあくまで彰鬼たちの前だけ。どこかで選んで笑っていたのだ。
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