5
上から下まで舐め回すように見てくる。…が、狛璃たちといるおかげか近寄ってくる人はおらず、遙香自身もあまり気にしてないようだ。だが狛璃たちへの視線には目ざとく気づいた。
『キャアッ、みんなかっこいー』
『あの金髪の子、いいよねっ』
『いやーん羨ましー』
『ね、ナンパしちゃう?』
──ぎゅむっ
「…は、ハル?」
「………」
「どうしたんだ?」
「にぃには僕のだもん…っ」
「……は、はは、大丈夫だよ。さぁ遊ぼうか」
逞しい体に抱きつく遙香に狛璃は苦笑いをし、水辺の方へ歩き出した。遙香が服を着てるため泳ぎはしないが、途中まで入ってその冷たさを確認する。
「ひゃっ、気持ちぃ」
「はーるーかー!」
「んぇ……ッんぅ!?」
──バシャッ
「ぁ…もー幸ちゃんのバカァッ」
「てめぇ…ざけんな」
「うわっ、ちょ、ギャーッ!!」
ドボーンという大きな音をたてて幸慈は海の中へと消えていった…。彰鬼が投げ捨てただけだが。
[*前へ][次へ#]
[戻る]
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!