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人に見られるのも嫌がったし、狛璃も背中の傷を心配して連れてこなかった。だから余計楽しみで仕方ない。
「夜は花火しよーな!」
「うんっ。幸ちゃん、誘ってくれてありがとう」
「いやー喜んでもらえてなにより…つか山園先輩、睨まんで下さい」
(クソッ、遙香に懐かれたからっていい気になりやがって…)
この3日間、幸慈は彰鬼の視線から逃れることは出来ないだろう。さて、そんなことをしているうちに親戚の家に到着しました。海からはほとんど離れていなく、楽しそうな声がここまで聞こえてくる。
『あらまぁこんなにイケメンが!オバサン困っちゃうわー』
「オバサン、よろしくな」
『ええ。…あら?可愛らしい女の子もいるのね。お部屋別にしなきゃいけないわっ』
「ひぅっ…ぅぇ、女の子…」
「あ、いや、この子も男だから。つか中入れてー」
『女の子じゃないの!?あらやだ、ごめんなさいね。どうぞ、冷たいお茶でも出しましょう』
そういってオバサンはずんずんと中に入っていく。決して悪気がある訳じゃないのだ。それが分かっているし、このノリについていけない遙香は何もいわずにみんなと中へ入っていった。
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