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「じゃあハルハル狛璃と出て見たら?」
「えっ…でも、んぅ…」
「……や、にぃにとじゃなくて福永君と出てみよっか」
これはチャンスだ。友達と何かをするということも、人前になれるということも。零鬼もそれを汲み取ったのか同じように勧め、遙香は何もいわずに目を潤ませた。
「僕っ…怖いのに…!!」
「ハル…これはね、ムリヤリじゃないよ。どうしても嫌なら仕方ないもんな」
「でもさ、もっと自分に自信持っていいぜ?ハルハルは人気なんだし…それにオレたちだけを見てくんない?」
「……?」
「人の目が怖くなったらにぃにたちだけを見て?ずーっと見ててあげるから」
「ふぇ…が、ばったら…誉めてくれる?」
「「もちろん」」
そう、狛璃のいうことは遙香にとって絶対だ。きっと遙香は、好きな人のためなら死ねるタイプだろう。2人にギュッと抱きつき、たくさんのパワーをもらってから先に体育館へ向かった。
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