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「ヤダッ…やだよにぃにっ…」
「……何が、嫌なのかな?」
「っ!?ぇ…にぃに!零にぃ!」
「ハルハルー無防備すぎるぜ」
当たり前のように目の前にいる2人。一瞬夢かとも思ったが、涙を拭く狛璃の手が凄く温かくて、嬉しくなって遙香は抱きついた。
(ふわ…にぃにの匂いっ)
「どうした、ハル」
「ううん…何でもないの。ふふ、来てくれてありがとうっ」
「ハルハルのクラスの迷路もしてきたよー」
「楽しかったでしょ?」
「楽しかった!でもハルハルと入りたかったなー」
「えへへっ」
さっきとは打って変わって可愛らしい笑顔を見せ、楽しそうに笑う。彰鬼に聞いてやってきたのだが、ほんとは一目みたとき誰かに変なことをされたのでは…と内心焦ったのだ。何もなかったようでほんと、良かった。
「そういえば料理コンテスト、やるみたいだな」
「あ…うん。さっきね、幸ちゃんに誘われたの」
「幸ちゃん?」
「お友達…。でも人前は怖くて…」
(うーん…出るのは嫌じゃないのかな?)
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