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宝寿祭─1日目
『これより宝寿祭を開催します!』


──ドォンッ、ドンッ


 宣言とともに空に打ち上げられた数発の花火。学園中が色とりどりの飾りで華やかに飾られ、生徒たちはそれぞれの時間を楽しみ始める。

 2日続けてやるそれは、1日目は生徒たちだけで楽しみ、2日目は招待客とともにいくつかのイベントを楽しむ。遙香は当番が午後からなので、図書室でのんびりしていた。


 誰も人が入ってこなく、でも耳を澄ませると楽しそうな声が聞こえてくる。いくつか見て回ろうかと思ったクラスもあったのだが、やはり1人で行く勇気は出なかった。去年と同じ状態だ。


「……いーなぁみんな、楽しそう…」

「なら行きゃあいいだろ」

「んわっ!!…もー彰ちゃん驚かさないでって言ってるでしょ?」


 でも来る予感はしてた、と笑う遙香に彰鬼も笑い返す。手には綿飴を1つ持っていて、当然のように遙香に渡した。


「ありがと……甘ーいっ」

「今年もここか?」

「んー…だって…」

「……俺が一緒に行けりゃあいいんだがな」





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