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 そういって駿は迷路の方に近寄っていった。初めは俺様で性格悪そうと思ったが、いってるこては全部遙香のための言葉だった。そんなに悪い人じゃないのかも、そう思えるくらい優しさの入った声だった。


「……ハルちゃん、大丈夫?」

「はい…すいません、みっともない所を…」

「ううん。もっと…甘えていいんだよ?」

「……大丈夫です。あ、理樹先輩のクラスは何をするんですか?」


 流れていた涙は拭き取られ、赤い目をしているがいつもと同じ様子を見せる遙香。怖かったと泣いてくれてもいいのに、さっきみたいにワガママ言っていいのに……なぜ、一線を張る?


(僕の…何がいけないわけ?)


「……僕たちはね、クラス展っていうよりは発表なんだ。ショーをすることになったよ」

「そう、ですか…きっと凄いでしょうね」

「うん、だからハルちゃんも見に来てね?」

「…はい、行けたら…」


(行けたら、ね…)


 つまりはあまり行きたくない。少しムカムカする気持ちを抑えつつ遙香と一緒にいると、幸慈を連れた駿が戻ってきた。





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あきゅろす。
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