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完成!
 ミーンミンミンと気の早いセミが鳴き始め、盛り上がる声が学園中に響く7月頭。学園祭に向けて最後の仕上げがされていた。

 遙香たちのクラスがやるのは "巨大迷路"。校庭の端のゴミが散乱していた、ぽっかり空いた空間。そこと植木を使って迷路を作ることになった。大きな茂みが周りを遮断し、迷路に入ってしまえばゴールまで抜け出せない。


 毎日みんなで汗を流しながら植えたおかげで、学園祭の3日前には出来上がっていた。広い敷地のおかげで十分な長さのものができ、女子の飾り付けで楽しげなものになった。


「うはーサイコーッ!!2ー3バンザーイッ」

『ユッキー喜びすぎ』

「なぁ、俺らで入ってみねぇ?」

『『入るー!!』』


「な、遙香も入るだろ?俺と一緒に行こうぜ」

「……ううん、疲れてるから」

「そ…か。じゃ日陰で休んでてな」


 みんな泥だらけで汗だくで。なのに元気いっぱいで迷路に入っていく。当日は体育館の2階から何人か案内役を立て、ギブアップという人に上から指示をするようになっている。ちなみに1回100円で、入るときには知らされないが3分でゴールすると景品だ。





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あきゅろす。
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