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そんでさ、まぁ色々不安はあったわけですよ、俺でも。

だけど担任も普通だし何より女の子が……あ、これ男子校にいた俺としては結構重要だから!
教室に入っての掴みもバッチリだったと思うんだよね。


……でも小鳥遊遙香くん?
かんわいいよね、前の学校でもあんなに可愛い子いなかったし。

なのに一言も話さない……つまらなそうな目、してた。



うん、俺遙香のこと気に入ったかも。絶対仲良くなってやろっと。


* * *



 家から学校までは約10分。まわりに人がたくさんいるときは7分くらい。うるさい人が来てしまったことにより、狛璃欠病症は極限まできていた。バタンとドアを閉め、ソファーにうずくまる。


「ぅぅ…にぃに、にーにっ」


 可愛いね、なんて今日会ったばかりの人に言われても嬉しくない。ただ気持ち悪いだけだ。幸慈に変なつもりはなくても、遙香にとっては嫌悪以外の何ものでもない。
 ……昔を思い出してしまうから。

 しばらく震える体を抱き締め、遙香は家を出た。真向かいにある彰鬼の家のチャイムを鳴らす。…が、誰も出ない。それを分かっている遙香は、持っていた合い鍵で中に入った。





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あきゅろす。
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