3
「大事にするね」
「はい」
「楽しめた?」
「…あ、ええ、まぁ…グループの人がいい人だったんで」
「……誰?」
「あっと…スタジオに一緒にいった人です」
それは遙香にとって何でもない一言だったのかもしれないが、理樹の嫉妬を誘ったのはいうまでもない。たった2泊3日の修学旅行でそこまで仲良くなってしまうのだから。
「理樹先輩?」
「…ううん、楽しめたようで良かった」
「あ、はい」
(っ…!?)
初めてみた、愛想笑い以外の笑顔。儚い百合から元気なひまわりになるようで、心を揺さぶられる。
話すようになってもこんな笑顔は見たことがなく、嬉しいと思う反面やはり嫉妬もある。授業に戻っていく遙香を見送り、理樹は何となくその場に残った。
▼理樹side
沖縄、楽しめたようで良かったな。
でも僕は醜いかもしれない……どうせならツマらなかったっていって欲しかったかも。
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