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(色々あったな…)


 楽しかったことも、ツラかったこともたくさん。飛行機に乗りながら色んなことを思い出す。でもやはり一番に思うのは狛璃のことだ。抱きしめてもらって、…そうだ、キスもしてもらおう。


「…………遙香?」

「んぅ……ね、むぃ…」

「…お休み…遙香」

「……………すぅ…」


(うわっカワイー!ぷにぷにほっぺだしっ)


 あの遙香が無防備に寝始めた。これは幸慈のことを信頼し始めている証拠であり、何となくそれが分かる幸慈は嬉しそうにしている。

 その寝顔をみて思うことがある。人に心を開かないのは、小さいころからあんな目にあってきたからなんじゃないか、と。そして背中にあった傷、きっとあれも原因の一つだ。狛璃に電話で忘れろといわれた…けど、それは無理な話だ。


(右京先輩とかは知ってんのか…?)


 もしくはあのオーガー。確実なのはそちらだろうが、聞く勇気がない。鼻であしらわれて終わるんじゃないか。幸慈は色んなことを思いながら遙香の寝顔を見続けた。








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あきゅろす。
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