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遙香の横にちゃっかり立つ幸慈。もっと目立つとこにいそうな彼だが、それよりも遙香の横がいいらしい。ピッとピースをし、満面の笑みで写真に収まった。
「うし、後はグループだろ?行こーぜ」
『ちょっとユッキー!早いって』
『私たちを一緒にしないでよねー?』
『小鳥遊くんだって困ってんじゃーん』
さっさと歩いていってしまう幸慈ともう1人。少し坂になっているせいか女子はそれに追いつけずにいて、遙香にも遅い方がいいと同意を求める。それにしまった、という顔をした幸慈が遙香を見ると、目があった。
「わ、わりっ」
「………」
「あー…じゃああれか。俺らは後ろを歩けばいいわけか」
『そのとーりっ』
女子強し、である。遙香もその女子の間に挟まれ、何も出来ずにいた。なぜか逆らうことができないし、でも…別に害はない気もする。
結局女子にすべてを任せ、ゆっくり時間をかけて首里城を見て回った。これで沖縄の見学は全て終わり、少し名残惜しくなりながら沖縄を発つ。
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