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『ハル…今、どこにいるんだ?』
「お部屋…」
『みんなと?』
「ううん…あの、転入生と」
(ってことは…助けてもらったのかな?)
『その子と代われるかな?』
「………寝てる」
それでも今話したいというと遙香は頑張って幸慈を起こし始めた。始めは遠くから小さな声で、次は軽い物を投げてみて。顔面にあたったときようやく起きた。
「ん゙…遙香…?」
「で、電話…」
「……へ?俺?」
遙香と幸慈の中間に置かれている遙香の携帯。それを取って出てみると遙香の兄、狛璃が出るではないか。幸慈の眠気は一気に覚め、その場に正座をするほど緊張してしまった。
「はい…はい、あ、福永幸慈と申します」
『──…、───』
「あ、はい、大丈夫ッス。分かりました」
『───、…──?』
「はい。…遙香、代わってくれって」
「お、置いて。そこにっ」
そういわれて幸慈はあった所に置き、離れた。今度は遙香が近寄って電話に出ると、少し楽しげな狛璃の声がする。
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