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 泣きながらも遙香はそのシャツをちゃんと着た。だけど着るとまた泣き出してしまう。今までにこんな泣かれたことがない幸慈はワタワタするだけだ。


「か、体は大丈夫か?変なことされてねぇ?」

「ぅわあぁっ!やぁ、だっ…ふぇ、いやぁあぁ…」

「っ…泣くな、な?もうあいつらいねぇからさ…遙香ぁ」


 なぜか幸慈の声まで震えている。こうさせてしまったことを悔やんでいるのだろう。それでも結局幸慈が遙香を泣きやますことは出来ず、泣き疲れて寝るまでずっと泣いていた…。







──チュンチュンッ


「……………にぃ…に…」


 次の日の目覚めは最悪だった。散々泣いたため目は真っ赤に腫れてるし、昨日のことが映像として蘇ってくる。叫んだためか声も枯れてるし、体もダルい。

 チラッとその部屋の中を見てみると幸慈以外は人はいなく、その彼も部屋の隅の方で寝ていた。遙香がちゃんと布団の中にいることから、幸慈が運んでくれたことが分かる。





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