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そして放送が入るとみんなは体育館へ向かう。綺麗な列なんてそんなもの出来る訳もなく、話をしてるからと静かになる訳でもない。そんな人たちに紛れ、遙香はポケーと辺りを見ていた。
くだらない話、くだらない校歌。くだらない、くだらない……人間たち。
(はやくにぃにに会いたいな…)
実は遙香、兄である狛璃に恋をしている。好きという気持ちは知っているのに、本人はそれに気づいてない。だが狛璃を見る目は兄弟というものを越しているのだ。
彰鬼はもちろんそれに気づいている。が…いわないのだ、わざと。
退屈な始業式も終わり、それぞれの教室に帰る。今日は半日の予定だから終わったらすぐ帰れる、そう思っていたのに。たった1人の人によって、少しずつ遙香の生活が変わっていく…。
『実はこのクラスに転入生が来ることになった。福永、入れ』
(え…転入生?)
本から目を上げると、元気よく入ってくる男が目に入った。明るい茶色の髪にスラッとした背丈。美形、という訳ではないのにかっこいいと思わせる容姿。そして何よりテンションが高い。
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