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その幸慈は赤をメインに使っていた。明るい色ばかり使うあたり、それも彼っぽいだろう。
今までは朝の挨拶くらいしかしなかった遙香とクラスメート。幸慈のおかげで少しずつだが遙香とも喋ろうとしだしている。それはめんどくさいことのはずなのに、なぜか気にしていない遙香がいた。
(にぃに…僕、頑張ってるよ…)
それでもまだ話すことは出来ないが。さて、それが終わりお昼にタコスを食べたら午後は海だ。沖縄はとっくに海開きがされていて、もう泳いでいる人がいる。
青く澄んでいて綺麗だ。
ここでももちろんグループ行動をするのだが、絶対に入らなきゃいけないわけじゃない。目の前のホテルを一時的に借り、みんな着替えをするが遙香は水着でなくハーパンだ。麦わら帽子をかぶって泳ぐ気はないらしい。
『えー小鳥遊くん泳がないのっ?』
『んじゃあ日陰で…日陰!で待っててね』
「………………ごめ、ん」
「いーって!こっちこそ海で楽しんでごめーんな」
とはいっても早く泳ぎたくて仕方ないのだろう。いうなり海に向かって走っていってしまった。
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