6 「遙香かわいーっ!な、やっぱ笑ってた方がいいって」 「っ……」 「魚好き?俺タコ好き。美味くね?」 (……え、食べるの意味で…?) 『ちょっと早くー!』 『おいユッキー、サメ来たぜ』 「うおっ、まじか!!」 水族館に来てあの発言はないだろう、と思っているともう1人の男子に呼ばれた幸慈が慌てて走っていく。その後をのんびり追うと、とても大きな水槽が目の前に現れ、男子目的のサメもいた。 (すご…い) 大量のアジが軍団で水槽の中を回っていて、他の魚も自由気ままに泳いでいる。大きなエイが目の前を通り過ぎたかと思えば、もっと大きなジンベイザメも通り過ぎる。 遙香は狛璃たちにも見せるため、写真を撮り始めた。 「遙香!ちょ、こっち」 「え……」 グイッと幸慈に腕を引っ張られる。振りほどく暇もなくつれて来られたのは、写真を撮るのに絶好のスペース。他のお客さんにカメラを渡し、グループのみんなで撮ろうというのだ。 [*前へ][次へ#] [戻る] |