3 そんな遙香が通うは宝寿学園。共学で制服も自由なのだが、普通科と特進科が設備されている。遙香、彰鬼は普通科の生徒だ。特進科は芸能関係など、もう働いている人や優秀な人が通っている。 『はよー』 『お、髪切った?』 『ダリー…』 (うるさい……うるさい、) 遙香は顔をしかめながら教室に向かう。2ー3、3階の真ん中にある教室が彼のクラスだ。久しぶりに会ったということもあり、みんなのテンションが高く、遙香は嫌そうに席についた。 窓側の一番後ろが遙香の席だ。 『おはよう小鳥遊くん』 『小鳥遊うっす』 (話かけないでよ…) そんなことを思いながら「おはよう」と小さく返す。それ以上は誰も話かけてこない。……これが、一年で出来たこのクラスのルールだ。遙香はかばんから本を取り出し、読み始めた。 [*前へ][次へ#] [戻る] |