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「遙香、せっかくだから楽しもーな」
「………」
「…うん、それでこそ遙香だ」
「……?」
「んじゃしゅっぱーつ!!」
こうして遙香たちは沖縄へと飛び立っていった。沖縄につくまでの間特にやることのない遙香は、わざわざ持ってきた本を読む。やたら幸慈が話しかけてくるがそれは無視だ。ただ本を読んで時間を潰した。
そして沖縄。気温は27℃と暑いくらい。女子は日焼け止めを塗ったり、みんなで上着を脱いだり、そうでもしないとやっていられない。
(暑…夏みたい)
七分のジーパンにスニーカー。上は半袖に薄い、黄色の上着を羽織っている。端から見ればもう女の子にしか見えなく、男子のイヤらしい視線や女子の妬み、その他の視線が絶えない。
『ねぇ小鳥遊くんっ』
「………何」
『日焼け止めは塗った?』
「いらない」
『えーせっかくの白い肌が焼けちゃうよ。貸すから塗ろうよ』
男がどうして日焼けを気にするだろう。でも同じグループの女子がどうしてもと勧めてくるので仕方なく受け取った。肌が見えてるとこに適当に塗り、日焼け止めを返すと女子は満足したように離れていく。
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