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進学と転入生
「にぃにっ、行ってきます!」

「ん。気をつけて行くんだぞ!?変な人にはついて行っちゃダメだからなーっ」

「っ…もぅ、大丈夫だもん。へへ、じゃあね」


 チュッ、と可愛らしいリップ音をたてて家を出る彼は小鳥遊 遙香。黒目黒髪は艶を含んでいて、女でさえ羨むほど可愛らしい容姿。なのに左目の下にある泣きぼくろが色っぽさも兼ね備えさせ、男の目を引く容姿をしていた。


 今の彼は白だ。幼さの残る喋り方、誰もがとろけるような笑顔。これは本当に心から信用している人にしか見せることはない。

 白い彼を見れるのは、今の所4人だ。


「かんわいいなーハルは」


 そのうちの1人、頬に行ってきますのキスを受けたにぃに、小鳥遊 狛璃は遙香の兄だ。遙香とは違い、爽やかなかっこよさを持っている。超がつくほどのブラコンで、至って普通のアパートに2人暮らしをしている。

 両親はどうしたのか、それはまた少し先の話だ。





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