7 言うなら今しかない。そう思い誘おうとした。…誘おうとしたんだが…、 * * * 「涼!!」 『あ、たっちゃん!』 竜也が病院から帰ってきた。それをみた涼は竜也の下へ駆けだしてしまった。その場にはクローバーと共に残された京一。 (だよな…願い事は人に言うと叶わねーって言うし…) ハァとため息をつきながら2人の元へ向かった。すると竜也が目で京一に訴えてくる。 "抜け駆けしてないだろうな?" "今お前に邪魔されたよ" 『ん?2人共何笑ってるの?』 涼は互いの顔を見て不思議そうに聞いてきた。だが別に本当に笑っている訳ではない。目でやり取りをしているだけだ。 「いや、何でもないよ。暗くなってきたし中に入ろうか。なぁ竜也?」 「ああ、風邪引くわけにもいかないしな。京一?」 『?変なのっ』 3人は涼を間に挟みながら寮へと戻っていった。 [*前へ][次へ#] [戻る] |