自由行動*双子 ここのホテルの庭はそこら辺の庭とは訳が違う。なんと言っても庭だけで東京ドーム2個分はあるかという広さなのだ。もう庭というよりは森だ。 様々な庭園に枯山水。竹林に桃の木栗の木山椒の木。イチョウの木や何年生きたのかと驚いてしまうほどの大木もある。 涼は京一と回っている途中、何度も目にした広大な庭を見て回りたくて仕方なかったのだ。 「うはーっ!本当にすげーなぁ。ジャングルみてぇ」 『え、ジャングル?わぁ…初めてジャングルに来たっ』 「あ、いや…森かな?」 庭につくなりジャングルみたいだとはしゃぎすぎたため、涼が完全に信じ切ってしまった。流石にジャングルは言い過ぎたと後悔し、森と言い直す。だがもう涼は聞いていないようだ。 『うわー枯山水!!』 そう言って涼が走り出してしまった。陸が慌ててついて行くと、そこには広大な枯山水。人が入れないようにロープが張ってある。 「カメラ持ってくればよかったなぁ」 『ね。本当に綺麗』 2人で歩きながら庭を見ていくと、かすかだが水の音が聞こえてきた。 [*前へ][次へ#] [戻る] |