3
「は…はは。ありがとうな」
『ん?何でありがと?』
「いや…何でもねぇよ」
お礼を言われたことに不思議そうに首を傾げた涼に、答えを少しはぐらかして先を進むことにした。
外にも色々な施設があった。時間が余りなく、じっくり見ることは出来なかったが久しぶりに2人だけの時間を楽しむことが出来たようだ。
『本当にいいとこだね。空気もおいしーっ!!』
涼は手を思いっきり伸ばして深呼吸をする。このまま2人でずっと一緒にいたいと思い、京一は後ろから抱き締めようとした。…が、涼はそうさせてくれなかった。
『あ、そろそろお昼だね。戻らなきゃ』
「別にいいじゃん」
『駄目だよ。ご飯はみんなとって約束でしょ?』
「まぁ…」
多分このまま言っても意味がないだろう。涼は約束とか、そう言ったことに関してはきちんと守る人なのだから。京一は仕方無く食堂へ向かうことにした。
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