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「何?そりゃ生まれてきたことだろ」
『う、まれちゃいけなかった…の?』
「つか邪魔」
『っぅ…』
痛烈な言葉を浴びせられても、涼は一と向き合おうとしている。泣くことしか出来なかった涼が見せるそれに、一は余計苛立っているようだ。
「手紙、読んでんだろ?覚えてないとは言わせない」
『覚え、てるよっ…!!でも何でか分かんないんだもんっ』
「はっ、そうやってのうのうと生きてきたんだろうな。こっちの気は知らずに、みんなに愛されて!!」
─バシンッ
『やぁっ…!ぁ…やだっ…しら、なっ』
「そうだよなぁ…俺なんてどうでもよかったんだから」
そういってもう一発、涼の頬を叩く。白かった頬は真っ赤になり、ついに耐えきれなくなった涙が零れ落ちる。
一は涼は変わってない、甘えているというが、変わってないのは一だ。罵って、暴力を振るって。涼はひたすら耐えるしかなかった。
「この6年!どんな思いだったか…俺は悪くないのに。あんなとこ」
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