[通常モード] [URL送信]
再び登場
「おーい、どったの?待ってんだけど」

「……中止にして」

「はい?」

「早く、もう終わりにして」

「お、おぅっ」


英士の様子に陸は慌てて戻り、中止を告げる。不満をいう生徒は多数いたが今はそれどころではない。みんなは着替えもせずに涼を探しに出た。


* * *


─ドンッ!!


『いっ…たぁ…』


誰もいない林の中、涼は木に向かって放り投げられた。思いっきり打ってしまった腰を押さえながら、涼は目の前にいる彼…一を見る。


『っ…ど、うして…?』

「くっ…はは!気持ちよかったか?あ?」

『…?』

「男に攻められて喘いで。やっぱキモイな」

『っ──…。お、兄ちゃ…』

「俺はお前を家族だと思ったことはない」


死んだような、誰も信じれないという目をした一は涼を見下ろして言い放つ。その目に涼の体は震え始め、目に涙を溜めた。だがこの6年…いや、2年で涼は成長したのだ。泣くまいと必死に堪えている。


「…ムカつくな、その目」

『ど、うして?僕はっなにをしたの!?』

[*前へ][次へ#]

23/32ページ

[戻る]


あきゅろす。
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!