再び登場 「おーい、どったの?待ってんだけど」 「……中止にして」 「はい?」 「早く、もう終わりにして」 「お、おぅっ」 英士の様子に陸は慌てて戻り、中止を告げる。不満をいう生徒は多数いたが今はそれどころではない。みんなは着替えもせずに涼を探しに出た。 * * * ─ドンッ!! 『いっ…たぁ…』 誰もいない林の中、涼は木に向かって放り投げられた。思いっきり打ってしまった腰を押さえながら、涼は目の前にいる彼…一を見る。 『っ…ど、うして…?』 「くっ…はは!気持ちよかったか?あ?」 『…?』 「男に攻められて喘いで。やっぱキモイな」 『っ──…。お、兄ちゃ…』 「俺はお前を家族だと思ったことはない」 死んだような、誰も信じれないという目をした一は涼を見下ろして言い放つ。その目に涼の体は震え始め、目に涙を溜めた。だがこの6年…いや、2年で涼は成長したのだ。泣くまいと必死に堪えている。 「…ムカつくな、その目」 『ど、うして?僕はっなにをしたの!?』 [*前へ][次へ#] [戻る] |