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でも家に帰ってぬいぐるみを見たとき、数が足りないことに気づいた。その瞬間すべてを思い出したのだ。そのことを誰にもいわず、不安を見せないよう隠してきた。


「それでさっきのが…」

「……一だ。今年帰ってきたんだ」

「もしかして…それで夏休み、帰れなかったのか?」

「ああ。涼をあいつに会わせるわけにはいかねぇ」


会っちゃったけどな…と十夜は自分を責めた。そのままみんな黙り込み、涼は起きることはなかった。……いや、起きていたのだが、それをバラさずにまた寝てしまったのだ。


* * *


『………ん、…』

(あ……お部屋…)


次の日、涼は静かに目を覚ました。昨日のことを考えながらリビングに出ると、そこのソファーに十夜が寝ていた。ずっとついていてくれたのだ。


『ふふっ…十夜かわいーっ』

「ん゙……」

『…いっぱい、ありがとね』


よしよしと頭を撫でて朝食を作る。その後目を覚ました十夜と、心配でやってきたみんなでご飯を食べて学校に行くことになった。涼が何もいわないのでみんなも何もいわない。

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