12 そしてそこにパパたちも来た。 「りょ…涼ちゃん!!」 「涼っ…!!お前…」 「はは……は、涼涼涼……はは…」 もう隠しきれない一。警察がきて全てを話し、この事件は終わった。そのさいパパたちが「ちゃんと愛していたんだ」そういった言葉は届いてなかったのかもしれない…。 * * * 「そ、んなことが…」 「だから涼は暗い所と狭い所がダメなんだな」 全てを話し終えると十夜は疲れた体を休めるようにソファーに身を沈めた。 「涼ちゃんが目を覚ましたのはその2日後でね、全部を忘れていたんだよ」 どうしてここにいるの? どうしたの? 泣いてるの? ……あれ、お腹空いちゃったよ。 「もちろん涼ちゃん自身その人のことを口にすることはなかった。多分…覚えてないんだろう」 「涼にそんなことが…」 「いつも笑ってるから幸せに育ってきたんだろうって…思ってたな」 それは違う。ただ…幸せなことが多かっただけだ。もちろん目が覚めたときは一のことなんか覚えていなかった。完全に涼の頭から排除されていたのだ。 [*前へ][次へ#] [戻る] |