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「…一!なぁ…知ってるんだろう?涼ちゃんどこにいるんだ!?」

「……」

「あなたっ…止めて!」

「一!一!」

「……ど、して……俺?」


涼が消えて8日目、パパは悲しむ様子のない一を問い詰め始めた。それに一は光のない目でパパを見つめる。確かに涼を連れて行ったのは自分だけど、どうして真っ先に疑うのか。


「頼む…涼ちゃんを返してくれ…」

「…んだよ…涼、涼、可愛い涼ちゃん!ウザイ…あんなやついなきゃよかったのに」


─パシンッ


「……いい加減にしなさい」

「っ…そ、う…いらないのは俺?ははっ…俺が生まれて来なきゃよかった」


ママに叩かれた所を押さえながら一は家を出て行った。別にそんなつもりでいったわけではないのだが、それでようやく一が苦しんでいたことに気づく。

……と、そこへ近所の子供がやってきた。急いで来たらしく、喋るまでに少し時間がかかってしまう。


「っ…はぁっ……オレ、お兄ちゃん見つけたんだ!!」

「………え?」

「来てよ、お兄ちゃん動かないんだっ」

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