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瞳は光がないのに、自嘲的に笑う姿は怖いものがある。まるで周りの人は消えてしまったかのように静かになり、十夜の背筋には嫌な汗が流れる。


「そんなやついなければ俺は…」

「はぁ?てめぇが勝手に自分を卑下したんだろ!!」

「可愛い弟…なぜそれの肩を持つ?」

「それじゃねぇ、涼だ」


カツ、カツと近づいてくる一。十夜は涼を自分の後ろに隠し、必死に一に対抗しようとした。力でいけば十夜の方が上なのかもしれない。だが、精神的な面で押されているのだ。


「貸せ」

「嫌だ。……何をするつもりだ」

「壊すんだよ。壊して……この世から消してやる」

「させるかよ!…てめぇこそ消えろ」

「…それがなきゃ誰も俺を…」


─カツン


来た。一がしゃがめばもう涼に手が届くだろう。そしてもちろん彼はそれを実行しようとした。


「っ…触んな!!」
「そこ、動かないで」

「………………」


十夜の声に少し高めの声が重なった。事態を聞きつけやってきた英士たちだ。顔は至って冷静だが、内心焦りまくりだ。

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