10 『もうっ……あ、十夜も大和と寝たいの?』 「は?ちげぇし」 どうしてそういう風に捉えてしまうのか。嫉妬という言葉は知ってる癖に肝心な所は気づいてくれない。……まぁ知っててそれだったら涼ではないが。 『ふふ…おやすみなさいっ』 「「おやすみ、涼」」 * * * 次の日、京一たちは少し早めに目を覚ました。涼は昨日遊び疲れたのかまだ熟睡しており、それを確認した4人はキッチンへ向かう。昨日のお礼に朝食を作ろうとしているのだ。 「やっぱ和食だろ」 「えーパンでよくない?」 「てか料理作れんの京一だけだし」 「チッ、めんどくせぇ」 というバラバラの意見だったが、みんなが作れるものということでトーストになった。京一はスクランブルエッグ、竜也はサラダ、十夜はトーストを焼き、大和はお湯を沸かしてコーンスープを用意した。 その香ばしく甘い匂いに誘われたのか涼がタイミングよく起き、感激したように目を開く。 『えっ…これ、みんなで?』 「そ、昨日のお礼」 『わぁーありがとうっ!凄くいい匂いっ美味しそう』 「食べてみて?」 『うん!いっただきまーす……んぅ、おいひいっ』 [*前へ][次へ#] [戻る] |