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まるで脅迫状のように新聞の切り抜きで作られたその手紙。周りは"消えろ"の文字が赤でフレームのように綴られていた。

自然と嫌な汗が流れ出し、手紙を持つ手が震えてしまう。でも…十夜にバレてはいけない。


(一、兄…ちゃっ……)

「………ぅ………りょ………………涼!」


─ビクッ!!


「おい…おかしいぞ。何だよ」

『な、何でもないって……そ、そのDVDは何だったの?』

「あ゙?あぁ……こっちこい」


手を引かれてテレビの前まで連れて行かれる。涼は手紙をソファーの下に隠した。そしてセットしたDVDから流れてきたのは…、


『わぁっ…パパ!ママーッ!』

《おい、ちゃんと撮れてるのか?ママ、どうだい?》

《撮れてるわよ…もう。これ全部ね》

《なにっ!?あーあー…ん゙んっ。涼ちゃん?パパでーす》


パパママからのホームビデオだった。家で撮ったのかは分からないが、とにかく場所が分からないよう真っ白な壁の前に立ち、カメラに向かって話しかけている。

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