4 『あれ?お手紙来てる』 「は?手紙?今の時代にか?」 郵便受けに入っていたのはいつにも増して量の多い手紙だった。今まで親衛隊からのもよく入っていたのだが、それは開けなくても分かるのでゴミ箱に捨ててきていた。 それをすると手に残るのは3枚のハガキと一通の普通の手紙、それから少し膨らんだ封筒だ。 「そのデカいの寄越せ」 『え?』 「中、調べとく」 『あ、うん。ありがとう?』 危険なものだったらいけないから。ただ中身はDVDで何が映っているのか分からない。後で確認することになった。ハガキは香、元太、竜也からの暑中見舞いで、涼は嬉しそうに読んでいた。 残りは普通の手紙だ。差出人の名前がなく、涼は十夜に聞く前に開けてしまった。 『…………………』 「……涼?」 『ぇあっ?な、何?』 「どうした…?」 『ううん、何、も?』 なるべく冷静に、普通に対応しながら涼はその手紙を十夜から隠した。 《お前だけ幸せになるなんて許さない。お前さえいなければ…お前なんか生まれてこなければ良かったのに》 [*前へ][次へ#] [戻る] |