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訳が分からない。親バカな2人がなぜそんなことを言うのかと思っていると、ママが涼から少し離れるようにいった。京一に涼を任せ、部屋を移る。


《実は…一が出て来たのよ》

「………………」

《そのことを涼に言うわけにもいかないし…会わせる訳にもいかないでしょ?》

「たりめーだ」

《だから寮にいてちょうだい。お盆は私たち実家に行くからその間だけは大丈夫よ》


「ああ………で、あいつは?」

《………何も言わないのよ。普通に戻ってきてバイト始めて。私たちも…少し困ってるの》

「………………」

《とにかく一のことがバレる訳にはいかないから涼のことと…京君のこともよろしくね?》


そこで電話は切れた。それを握り締める十夜の手は怒りで震えており、憎しみを込めて"一"と呟いた。


"一"……浅見一。3人兄弟の長男であり、涼の3つ上の…本来なら大学2年にあたる人だ。なぜ家族も彼を厄介そうに扱うのか、それはまた少し先の話…。

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