移動 『えー!?陸ちんまだ用意出来てないの?』 今日から三泊四日、待ちに待った親睦会。泊まりの準備を終え、涼たちでまだ来ていない陸を迎えに部屋まで行った。いつものように元気よく飛び出してくるかと思いきや、出てきた陸はとても慌てた様子で、 「もう少し待って」 とだけ言って中に入っていってしまった。涼たちも中に入り詳しくきくと、まだ見つからない物があり準備が出来てないらしいのだ。 『もぉ!!お部屋きちんとしとかないからだよ?』 「んなこと言われたって…」 涼に怒られながらも必死に残りのものを探す陸。だがここにはとても力強い助っ人がいた。双子の片割れ、海だ。 「何が見つからないって?」 「あのー何とかって用紙!」 「これのことか?」 そう言って海は一枚の紙をピラッと持ち上げた。 「それーっ!!さっすが海!ありがとー」 「お礼はいいから早くしろ。ったく…こういうのはちゃんとしとけって何回言えば分かるんだ」 「はいすいませーん」 反省する様子もなく用意を終えた陸は、涼のかばんをもってさっさと出て行こうとしている。 『わ、陸ちん僕持つよ』 「いーの!迷惑かけたお詫び」 そう言って2人はどんどん先へ行ってしまう。残された3人は少しキレながら後に続いた。 [次へ#] [戻る] |