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「あー香ー、聞いてよもう!!ほんっとにウザイんだけど」
香が生徒会室に入るなり英士がわめきだした。理由は同じ。自称彼女の伊藤みずきが、なぜ自分じゃないんだと文句を言ってきたそうだ。
「っていうか涼が決めたんじゃなければそっち選んでたかも…」
と英士が言ったので、どいつもこいつも自己中な奴らだな、と香が心の中で呟いた。
生徒会メンバーがパートナー希望の用紙を提出したという話が学園中に広まってから、香と英士はとても面倒なことに巻き込まれていた。
まずは相手が誰だと探る者、相手を知りその人よりもぜひ自分を、と迫ってくるもの様々だ。オマケに自称彼女が断っても、何回も何回も誘いにくるのだ。うざったいったらありゃしない。
「あれ?そう言えば大地来てないよね?」
「ああ。遅刻なんて珍しい」
と2人が話をしたとき、
「……ょ。もうさ、相手は決まってるの。誘ってくれるのは嬉しいけどもう無理だから、ね」
ともう1人の被害者が中に入ってきた。
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