3 後ろからギュウッと抱き付いてくる英士に、それを引き剥がそうとする大地。いつの間にか京一も良も来ていて、涼の周りは自然と賑やかになる。 「みぃも飛べなーい」 「お前は飛べ」 「そんな口の聞き方……良、違うからな」 「えーちゃんは涼を話せーっ」 「……だからその名前で呼ばないでよ」 離れるのを渋っていた英士がすぐに離れ、陸を睨み付けていた。それに返すように陸も睨み付け、それを遠目で見ていた涼と大地が呆れたように笑う。 「ほんと…仲いいんだか悪いんだか」 『でも楽しいですよねっ。たっちゃんと香先輩と元先輩がいなくなっちゃったから…もっと寂しくなると思ってました』 「涼君…」 『みんなもきっと盛り上げようとしてくれてるんですよねっ』 「うん、そうだね」 少し寂しそうな顔をした涼を大地が慰める。が、実際の所他の人はそんな事を思ってないだろう。涼がいればいいと思う人たちで、涼がいるから賑やかになる。ただそれだけのことだ。 [*前へ][次へ#] [戻る] |