7 涼は聞いたことがあるから。"あんな奴の兄弟と仲良くできるかよ…"そう誰かが話していたのを。そのため涼はずっと自分のせいだと思っていたのだ。 「あのなぁ…俺は1人がいいから1人でいんだよ。勘違いすんな」 『1人が好き…?』 「そ。1人が好き」 『でもね、友達っていいよ?せめて…みんなと仲良くなれないかなぁ…?』 「無理」 『十夜ぁ…寂しいもんっ…それじゃあ』 1人が好きなのならそれでいい。でも友達は持っててもいいんじゃないか。せめて…彼らとくらいは仲良くなってもいいんじゃないのか。 涼は十夜には仲良くしてほしいと思い、みんなの良さを話し始めた。 『英士先輩はね、時々イジワルなときがあるけど優しいんだよ。僕たちのことちゃんと考えててくれるの』 『それで大地先輩は凄くしっかりしてるの!優しくて、みんなのことちゃんと面倒みてくれて。いざという時には凄く強くて格好良くなるのっ』 『海くんは頭いーんだよー。陸ちんとも仲良くて妬けちゃうくらい。それにね、イジワルそうにみえて頼もしいくらい優しいんだからっ』 [*前へ][次へ#] [戻る] |