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『もうっ、十夜ってどうしてお兄ちゃんって呼んでくれないの!?』

「こんなのに兄貴はねぇだろ」

『こっこんなの!?…僕っ…頑張ってるのに』

「あーそうじゃなくてなぁ…」


困ったものだ。好きという気持ちが涼に伝わらない以上、何回も同じことを繰り返してしまう。それに他の人でも涼をお兄ちゃんと呼ぶ人は少ないだろう。むしろ弟的存在だ。


「涼じゃいけねぇのかよ」

『だって…お兄ちゃんって呼ばれたいもん…』

「俺は涼がいいんだよ」

『むぅ…じゃあもうちょっと弟らしくしてっ』

「はぁ?まじ意味分かんねーし…」


弟らしくとは一体どういうものなのだろうか。物心がついたときには涼のことをそういう対象で見ており、つい対等に……それ以上になろうとしてしまうのだ。


「……おい…泣くなよ?」

『泣かないもんっ!次、行くよ!!』

「………………はぁ」


溜め息をついて、先に歩いていってしまった涼の後についていく。庭を2人でグルグル回りながらお兄ちゃんらしく振る舞おうとする涼。しばらく歩いていると、久と涼が初めて出会ったバラ園についた。

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あきゅろす。
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