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『あれ?斉藤先輩は書かないんですか?』
「えっ…あの…」
「ああ、忘れてた。はい、元」
元太が答えに戸惑っていると英士が紙を渡してきた。
"本当は渡す気無かったくせに"
この場にいた全員が心の中で思っただろう。
みんな名前を書き終え、袋に入れた。後は引くだけだ。
「さぁ涼、引いて?」
『あっ、はい』
と涼が袋から取り出した紙には…、
"小池大地"
「えっ…僕!?」
「「え゛ーっ!?」」
「「そんな…」」
香「やり直しだ」
英「絶対認めないから!!」
『わぁ…よろしくお願いしますっ!!』
名前を見た途端、みんなから非難の声があがったが、最後の涼の一言でみんな何も言えなくなってしまった。もう涼は大地と一緒になる気満々だし、クジを引いたのは涼だ。
手を繋いでいる2人を英士は横目でみながらやっぱ渡さなければよかった、と後悔するのだ。しかも涼が決まってしまった今、みんなもう諦めモードに入ってしまっている。
『みんなはどーするの?』
「あーどうしようね…」
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