6 「ヒーメー!!ぜひ俺とっ」 「いや俺と組んでくれっ!」 『あのっ…ごめんなさい。もう決まってるの…』 申し込みに対し涼も大声でそう返すと、男たちはガックリした様子で帰って行く。それにほっとしている間、大地のもとには吉良が来ていた。 「ぜひ今年こそ僕とっ…!!」 「ごめんね。同学年で組めないの…知ってるでしょ?それに僕はもう決まってるから」 「っ…なぜですか!?今年も…去年もその前も!全然組んでくれないじゃないですか…」 「それは…僕は君の気持ちには答えれないし…」 「っ…ひど、いですっ……こんなに思ってるの、にっ…!!」 人前にも関わらずわんわんと泣き始める吉良。それに驚いた大地が慌てて慰め、それを横で英士がからかう。だけどこういう大地の優しさが吉良をさらに勘違いさせるのだ。"望みはまだある…"と。 そんな様子をみていた十夜がうざそうに顔をしかめ、 「んだアレ…」 そう呟いた。 「あれは大地先輩の親衛隊、大地吉良。結構な勘違い野郎だし」 「あ゙?」 「んで、海につきまとってんのが佐藤拓海。あいつには十分注意が必要。…海以外は邪魔者って思ってるから」 「要注意人物…」 [*前へ][次へ#] [戻る] |