ペア 『もうたくさん友達できたっ?』 「…………………いねぇよ」 新学期が始まってから数日がたち、そろそろ親睦会じゃないのかという今日この頃。十夜は未だクラスに馴染めずにいた。元々の性格のせいなのか、はたまた涼にしか興味がないからなのか。 それでも話しかけてくる人はいるようで、そのたびに十夜はキレていた。…全員生徒会絡みだったから。 『もー十夜の良さが分からないのかなぁ…』 「良さ?こいつに良さがあるのか!?」 「てめぇ…その口開けねぇようにすんぞ」 「ぎゃー!!涼、助けてくれぃ」 『そういえばそろそろ親睦会だよねーっ』 全く話を聞いてない涼。去年を懐かしむようにいうと、待ってましたといわんばかりに陸たちがペアの申し込みを始めた。 「今年こそ俺と組もうぜ」 「いや俺だ」 「俺だよね?涼」 「………なんだそりゃ」 『あ、あのね、もうじき親睦会があって2人ペアになるの』 「じゃ、俺となれ」 そういうことなら、と十夜も申し込みをする。すると困ってしまうのはやっぱり涼で、誰と組むかを悩みだしてしまう。 [次へ#] [戻る] |