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電話越しでも分かる涼の涙声。それに焦った京一は結局泊まることになった。電話を切ってそのことを親に伝えると、息子が帰ってくると大喜びだ。


「布団用意しなきゃいけないわね」

「京君が帰ってきてくれるのか!今度こそ只今っていってくれるといいな」

「………………誰だよそいつ」

『あのね、僕の友達っ!強くてカッコイいんだよーっ』


ニコニコと教えてくる涼に十夜は嫉妬する。京一が泊まりにくることも、他の人がお花見をしに来ることも十夜は気に入らないのだ。…かといって涼を悲しませるようなことはしたくない。だから余計にストレスが溜まっていくのであった。


そしてお花見当日。朝早くに家の呼び出し音が鳴り、予定通り京一がやって来た。


『おはよー京ちゃんっ』

「ああ。…2日間よろしくお願いします」

「お帰り京君。さぁ飛び込んでおいでっ」

「え、いや………」


家に来るなり早速パパの熱い歓迎を受ける京一。胸に飛び込むのを断ればパパから無理やり抱きついた。

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