7 目を輝かせて景色を見る涼は儚くて美しい。そんな涼を見ながら英士はもう一回綺麗だと呟いた。 『はっ……先輩、降りていきますよ!?』 「……涼はお馬鹿さんなのかな?」 『ほぇ?』 「降りないでどうするの」 『あ…そうですね』 えへへーっと舌を出してごまかす涼。本当に可愛い…なんて思っていたらいきなり立ち上がって英士の横に座った。 「……?」 『楽しかったですか?』 「あ、うん。…涼は?」 『楽しかったです!』 自ら英士の手を取って繋ぐ。こんな涼は滅多に見れないので英士も驚いてるようだ。 『先輩…疲れてる顔してたんで』 「え……あ、ごめん、気づかなかった…」 『いいえ!!楽しんでくれたなら大丈夫ですっ』 意外に鋭い涼に内心ドキッとしながら観覧車を降り、涼の家へと向かった。 * * * 「涼!何もされてねぇか?」 『? うん。どうしたの十夜?』 「………………別に」 家に帰ってくるなり体を触って何かを確かめる十夜。それに便乗して体を触るパパ。2人に挟まれながら涼は疲れている体を休めた。だけど十夜はすぐに離れていき、パパだけがそこに残る。 [*前へ][次へ#] [戻る] |